会計(かいけい,英語: Accountancy)とは、一般に、金銭や物品の出納を、貨幣を単位として、記録、計算、管理等することであり、「情報の利用者が、事情に精通した上で、判断や意思決定を行うことができるように、経済的な情報を識別し、測定し、伝達するプロセスである。」といわれる。経理とも称される。なお、自治会などの会計や家計簿、子供の小遣い帳等も広い意味では会計であるが、本項目では扱わず、私企業と公企業の会計について説明する。
会計の歴史は古く、7000年前の中東で既に物資、貨幣の管理手段として用いられていた。
今日では会計は「ビジネス言語」と称されるほどであり企業にとっては重要なものとなっている。会計関連の検定試験として、会計取引を仕訳して財務諸表を作成する能力が問われる簿記検定と、財務諸表の種類や読み方・分析方法などの財務諸表理解力が問われるビジネス会計検定がある。大企業などでは新入社員に会計の検定合格を目指すように推奨している所もある。
”会計”(旧字体で”會計”)という単語が歴史上初めて表れたのは『史記 夏本紀』である。元々旧字体の”會”は”曾”が変化した字で「増大する」といった意味合いを持つ字である。”計”は元々「言を正確にする」という意味があり、「計は会なり」という意味合いで会計という単語が出来たとされる。
英語の"Accountant"はフランス語が起源だが当初のスペルは"Accomptant"だった。後に発音とスペルを正確にするため現在のスペルになったとされる。一方「説明する(account for)」という言葉に由来するという説もある。
現在一般に会計は次の3つの基準により分類される。
1.企業会計(私会計)と官庁会計(公会計)とに分ける方法。
2.財務会計と管理会計とに分ける方法。
3.法によって制定されている制度会計と自発的な意思のみによって公開される非制度会計に分ける方法。
これらに加え課税の公平を実現するための税務会計を考える場合もある。
企業会計とは企業がその活動内容および成果を報告する手段として行う会計である。一般に企業は投資家から資金調達を行う。そしてその調達した資金の運用成果を説明する責任を持つ。その説明責任を果たすために行う会計報告が企業会計の主な目的である。 現行の企業会計では投資家保護を目的とし適正な経営成績の開示と財政状態の開示を主としている。したがって誰から見ても同じ結果となる客観性と取り消されることのない確実性を充たす必要がある。そのため費用は発生主義を採用し収益は発生主義より厳密な実現主義で把握されている。そしてこの費用と収益の差として求められるのが利益である。一般に収益と利益は似た意味に用いられるが、会計上は収益と利益は異なる概念である。
企業はその活動成果を利益により把握される。そのため当期の利益を把握するためには、当期の収益からその収益を獲得するのに貢献した費用を対応させることが原則となる(費用収益対応の原則)。収益の把握は諸外国と同様に日本でも実現主義が採用されているため問題とはならない。しかし費用の捕らえ方が日本では取得原価主義であるのに対し諸外国では時価主義が採用されている。そのためにこの点が日本の企業会計の特徴となり、問題となる。
日本では大地震により建物などの固定資産が定期的に崩壊してきた。このような日本の文化、考え方により一定期間でその取得原価の全額を費用とすべきという会計概念が採用されている。そのため取得原価主義と呼ばれている会計基準の体系がなりたっている。 他方、西洋では地震がなく半永久的に建物を使用することのできる。そのため中世などに建設された建物は取得原価がわからず、またそれに基づいた費用化が不可能である。そのため西洋を中心に設定されている国際会計基準では資産の時価評価に基づいた時価主義が採用されている。つまり費用に関して日本と西洋とは異なった会計概念が採用されていた。
21世紀に入り企業の国際化が進んだため会計基準の国際的な統合化、すなわち会計基準のコンバージェンスの必要性が叫ばれるようになった。そのため日本でも会計基準のコンバージェンス化の観点から「会計ビッグバン」と呼ばれる一連の基準改訂を行ってきている。
企業会計は財務会計と管理会計という2つの目的を達成するためにある。上記の通り両者の最終目的は異なるが、その基礎となる会計情報は共通するため、特に私企業における日常の経理業務の中では外部監査の一定期間を除けば両者の区別は無く、ほぼ同一のものとなっている。